娘が高校生の時に吹奏楽の演奏会で「月の宴」という曲を聴きに行きました
その時に降りて来た作品です
この作品は平安時代の陰陽師が月夜の下で雅楽を奏で、酒を酌み交わし楽しんでいる雰囲気を想像して書いています。
月が登る
満月の夜 笛の音が聞こえる
サワサワと風が 私達の間をすり抜けてゆく
哀しみも愛しさも月あかりのもと
呑みほして
時の流れを静かに楽しもう
夜明けにはまだ早い
こんな詩が浮かんで来るような書きぶりになったかなぁと思っています
この情景を表現する為に
いつもとは違い先に「書」を書いて少し乾かした後に「はけ」ではたくという順番で書いたのですが、どのくらい「月」という字が滲んでくれるのか予想が難しく薄墨の濃度を工夫しました。
また「乃」と「月」の縦線が並ぶのでその部位だけ掠れさせて重たくならないように書いたところはかなり高度な技術を使ってかいています
刷毛ではたいた後に水面の表現として金をいれてライトの効果アップをしています